■傾聴のポイント
ここから、傾聴する際のポイントを紹介します。
・うなずき、あいづち
話をしていても相手に反応がないと聴いてもらっている感じがあまりしません。自分が話をきいてもらっているときのことを想定してみると分かりやすいでしょう。特にオンラインや電話での相談の場合、相手の反応が少ないと話している方は不安になります。そこで、相手の話を傾聴するときは、うなずき、あいづちといった反応をしながら聴きます。「はい」「そうですね」などのあいづちが適度にあると、相手は話しやすくなります。オンラインでの相談では、対面で話を聴くときよりも、うなずきは大きめにした方が相手に伝わるでしょう。
・話を遮らないで聴く
相手の話を聴いているとアドバイスをしたくなるかもしれません。しかし、相手の心理状態が落ち込んでいるときは、アドバイスを受け入れにくくなっています。まずは相手の話を最後までしっかり聴いて、前に向いて行動できるよう気持ちを回復してもらうことが大切です。
・共感しながら聴く
共感とは、相手の感情を感じることや共有することです。心理状態が低下している人の相談を受けるときは、心理的な安心や安全を持ってもらうのに何より共感を示すのが重要です。たとえば、苦境に立たされているクライアントに対して、「それはお辛い状況でしたね」「大変ご苦労されてこられたのですね」と受けとめながら聴きます。ミスや失敗を悔やんでいる部下に対しては「それは悔しいね」「真剣に取り組んでくれたんだね」と言葉をかけながら聴きます。
・ペーシング
相手のテンポや声の大きさ、話し方、状態などのペースに合わせることです。相手がとても暗いトーンで話しているときに、こちらがあまり明るい声で話していると、相手は苛立ちや怒りを感じてしまうかもしれません。相手がゆっくり話しているのにこちらがあまりに早いテンポで話していると、相手はあまり安心感を得られません。うなずきやあいづちも相手のペースに合わせながら行うとよいでしょう。
・バックトラッキング
いわゆるオウム返しです。相手の発言を繰り返すだけで、あなたの話をちゃんと聞いていますよ、理解していますよということが伝わります。特にオンラインや電話では、反応が分かりづらいので重要になります。たとえば、「あの銀行の対応は納得できないんだよな」と言われたときに、「納得できないと感じられているのですね」などと返します。話し手は受け取ってもらえた感じになり、考えや気持ちの整理ができます。ただし、オウム返しをあまりやりすぎるとしつこくなり逆効果になるので注意が必要です。
コロナ禍で苦しんでいる事業者の相談に乗るとき、とても落ち込んでいる人の相談に乗るとき、これらの傾聴のポイントのいくつかでも思い出して相手の話を傾聴してみてください。それだけでも相手の気持ちは随分楽になり、下を向いていた相手の目線が前に向いていくと思います。
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