2.直属の上司に伝える

退職を決意したとしても、周囲の同僚に愚痴のように漏らすのではなく、自身の直属の上司に、直接辞意を伝えましょう。その時は周囲にもれないように、会議室等を準備して2人で話しましょう。上司は組織やチームを管掌しているので、人事部や役員等に伝えなければなりませんし、退職に伴い人の補充に動かなければならないこともあります。また、他者に伝えてしまい情報が漏れることにより、上司の監督不足と捉えられてしまうこともあります。

また、上司が退職を納得してくれないこともあります。翻意してもらいたいために、「1週間程度よく考えてくれ」といった依頼を受けることもあります。次の会社が決まっている場合、次の会社にも迷惑をかけてしまうことがあるので、退職日や引き継ぎ方法は柔軟に対応するとしても、退職については一旦受理してもらうべきです。このような場合は、改めて就業規則を確認し、就業規則に従った手続きを取りましょう。一方で、上司が引き留めず、すんなり受け入れられてしまった場合、自身が会社に貢献出来ていなかった可能性がありますので、その場合は自身を見直しましょう。
万が一就業規則で明確になっていない場合や就業規則に従った手続きを取っても受理してもらえない場合は、退職に関する決裁者に対して、退職届を、配達記録付き郵便で送付して証拠を残すことも可能です。ただし、こういったやり方は円満退社にならないことも多いので、最終手段としましょう。

3.業務を見える化した上で引き継ぎを行う

上司や残された社員に迷惑をかけないように引き継ぎを行いましょう。自身が退職した後も残る社員はいます。
退職するのは自身の意思なので止める事はできませんが、残る社員に迷惑をかけないように、引き継ぎを十分に行いましょう。引き継ぎを行う際、注意して頂きたいのが、エクセルやワードで、自身の業務を見える化し、リスト化したうえで、どのような業務を、いつ・誰と・どのような資料や情報を用いて行っているのかを纏めることです。

「口頭で何回も言いましたし、相手も大丈夫と言っているので問題無いです」と言っている方を何人も見てきましたが、引き継ぎを受けた方の意見を聞くと、「体系的にまとまっていないので、よくわからなかったです」といった意見を多く聞きました。よって、口頭で伝えるのではなく、エクセルやワードで見える化することが大事です。見える化する過程で、自身でもあまりよく理解していなかった論点が分かることもあります。そして、円滑な関係であれば、退職後も連絡を取れるように連絡先を共有しておきましょう。

 

以上、退職時に注意するべき点を纏めました。
最近、退職代行業者等を利用して、会社との連絡を断絶して退職する方等、様々な方がいます。当然、人それぞれ色々な事情があるはずなので、一概には言えませんが、退職の仕方や残された社員に対する思いやりこそが重要だと私は考えています。
そういった思いやりがある方は、他社に転職しても活躍出来る可能性が高いですし、実際に活躍されている方が多いです。一方で、退職の仕方が良くなかった方は、結局他社に転職しても長続きせず、その後何社も転職されている方もいます。

今回紹介した3つのポイントに注意し、自身の退職時のふるまいや人としての在り方について注意し、退職後も円滑な関係性の構築や、次社で成果を出すことに繋げて頂ければ幸いです。

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