確定申告をしないと損する人
収入から金額を差し引ける所得控除制度は色々と用意されていますが、こういった制度は自動的に適用されることはなく、自分で確定申告をする必要があります。
控除を受けると、税金が還付されます。
①退職した
所得税は前年の給与を基準に給与から天引き(源泉徴収)されており、納め過ぎていた分が年末調整で還付されるのが一般的ですが、年の途中で退職すると年末調整は行われないため自分で申告する必要があります。
また、退職後再就職した場合、「源泉徴収票」を提出すれば今いる会社で年末調整してもらえますが、紛失したなどにより源泉徴収票がない場合は確定申告する必要があります。
なお、退職時にもらう退職金は、勤務先に所定の手続きをしていれば、源泉徴収で課税関係が終了しているので原則として確定申告の必要はありません。
②年間の医療費が10万円を超えた(医療費控除)
年間の医療費が10万円を超える場合は、医療費控除の対象となる可能性があります。通院が多い場合や大きな病気をした場合は、病院からの領収証をとっておくようにしましょう。
保険金などで補填された場合はその金額を控除します。
③寄附をした(寄附金控除)
国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支出した場合控除を受けられます。
なお、ふるさと納税は「ワンストップ特例制度」を利用すれば確定申告しなくても還付を受けられます。
④新たに住宅を買った(住宅ローン控除)
借入をして住宅を取得した場合、住宅ローン等の年末残高の合計額に1%をかけた額を控除できます。
住宅ローン控除制度を利用する初年度は必ず確定申告をしなければいけません。
2年目以降は年末調整で控除を受けることができます。
⑤特定のリフォームをした
借入をして耐震改修をした、省エネ改修をした場合に一定の金額を控除できます。
⑥盗難や火事に合った(雑損控除)
災害・盗難・横領によって資産について損害を受けた場合等には、一定の金額の所得控除を受けることができます。
⑦必要経費(特定支出控除)
サラリーマンでも経費を所得から引ける制度があります。詳しくはこちらの記事「パソコン購入費用を経費にしたい!テレワークで増すサラリーマンの経費計上需要」(https://kaikeizine.jp/article/20648/)をご覧ください。
⑧株の売買で損が出た
確定申告すれば「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」を利用でき、利子所得の金額および配当所得の金額と損益通算ができます。
以上で見てきたように、給与以外に所得がある人は確定申告をしなければ税務署からお尋ねが来る危険性がありますし、所得控除を受けられる人は確定申告をしなければ損をしてしまいます。
自分が当てはまる項目がないか、よく確認しておくようにしましょう。
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