消費増税の封印を解いた民主党は与党から陥落

政権にとっての鬼門となった消費税。在任5年5カ月と政権基盤が強固だった小泉純一郎首相も消費税増税は封印した。

封印を解いて増税議論を再開させたのが、民主党政権の野田佳彦首相だった。財務相から首相に就いた野田首相は、12年3月に消費税増税を含む社会保障・税一体改革関連法案を国会に提出。当時野党だった自民、公明両党との3党で、税率を5%から10%へ2段階で引き上げることで合意を取った。具体的には、2014年4月に8%へ、2015年10月から10%とされた。

その過程で民主党は分裂し、政権は弱体化。野田首相は12年11月、消費増税の3党合意と引き換えに衆院解散に踏み切り、選挙で惨敗。政権に復帰した自民党の安倍晋三内閣は14年4月に8%へ引き上げたものの、10%への増税は2度延期することになった。

政権の鬼門とさえいわれる消費税だが、2019年夏の参院選では、増税を前に自民、公明の与党が改選議席の過半数を確保し、「鬼門」はなくなったかに思われた。

しかし、消費増税を実施した首相は近いうちに辞任、退陣するというジンクスは、意外な形で安倍首相に現れた。持病の再発だ。「森友問題」「加計問題」「桜疑惑」はなんとか乗り切り、辞任、退陣にも至らなかった。このときの安倍首相の精神的なストレスは相当なものだったと思われる。「山加桜」問題でも元気だった安倍首相が、2019年10月の10%引き上げから1年を経たずして辞任という結末に至った。“消費増税”というカードは、首相を辞任させる怨霊でもついているのかも・・・

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