飲食業界は独立意欲が強い人材が多く、せっかく社員を育てても独立するために退社して困っている会社が多くあります。今回は独立意欲が強い社員の確保に役立つ業務委託について説明します。
社内独立の仕組みに役立つ業務委託とは!?
神奈川でラーメン店を7店舗経営しているoさんは、せっかく社員を育てても、数年で多くの社員が独立したいという理由で辞めてしまい人材不足で悩んでいました。
独立意欲が強い飲食店の人材を確保するために役立つのが業務委託の活用です。業務委託とは、店舗の運営業務を会社又は個人に委託することです。昨今では人材不足により、飲食店における業務委託は年々増えてきていると言われています。Uber Eatsや出前館などの配達業務も業務委託をうまく活用した事例です。
独立意欲が強い店長に業務委託にて店舗運営を委託することで社内独立させ、結果を出せば出すほど稼げる仕組みを作り、これで資金をためてもらい、のちに店舗を買い取ってもらう形が近年増えてきています。
業務委託を活用しよう
その後oさんは、飲食店専門の税理士に相談し、業務委託の仕組みについて教えてもらいました。業務委託を活用した社内独立の仕組みを構築したことで、能力&やる気のある人材を確保することができるようになりました。
業務委託とフランチャイズ(FC)は似ていますが、FCは本部のマニュアル通りの運営を求められるのに対し、業務委託の場合は、受託者(業務を受けて行う者)が運営のノウハウを委託者(業務を依頼する者)に提供するという違いがあります。FCの場合は脱サラや主婦などの未経験者でも可能ですが、業務委託では店舗運営に豊かな経験と信用を有する人に限られます。
委託者は、自らが店舗運営を行う労力を必要とせずに、安定した収入を得られるというメリットがありますが、業務委託ですと、両者は経営者と従業員という雇用関係ではなく、同等の立場ですので、両者にて店舗運営や報酬などに関して注意すべき点を事前に把握し、後々のトラブルにならないよう業務委託契約書に落とし込む必要があります。
また、業務委託において委託者が受託者に支払う報酬(外注費)は、社会保険料の負担がない、消費税の納税額から差し引ける仕入税額控除が認められるなど、給与として支払う場合よりもメリットが大きいため、社員を形式上で業務委託にする悪質な会社も見られますが、実態が伴わない場合には年金調査や税務調査で否認されてしまいます。その場合の影響額は非常に多額になりますので注意が必要です。
本気で多店舗展開を目指すなら業務委託の活用から!業務委託の仕組みを構築し、能力&やる気の高い人材を確保しましょう。
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