税務調査は短期決戦、年内までの3カ月が勝負

国税庁は9月2日、「新型コロナウイルス感染症拡大の防止策」について以下のように発表した。

調査・徴収事務担当者は、納税者宅等へ出張する前に「検温」「手洗い(消毒)」「咳・発熱等の有無の再確認」のほか、実地調査に際しては、納税者等の協力を得た上で

  • 「マスクの着用の徹底(納税者等にも協力を依頼)」
  • 「 一定程度の距離を保ち、会話の際、可能な限り真正面を避ける」
  • 「 窓や扉を開け、定期的に換気」
  • 「 職員の人数や滞在する時間を可能な限り最小限にする」

前述のような「新しい生活様式」に基づく税務調査が10月からはじまるわけだが、従前のようにスムーズな実地調査ができるのか調査官も不安を隠せない。

とはいうものの、「今回は準備調査に時間を掛けられたので、的を絞った深度のある調査ができる」との声も聞かれ、短期間に数多くの実地調査を行う可能性がある。

短期間で税務調査を行わなければならない国税当局側の裏の事情もある。調査が再開しても年が明けてしまえば確定申告の準備・対応に追われる。そのため、残り実質3カ月である程度の調査実績をあげなければならないのだ。確定申告が終わる3月中旬から事務年度が終わる6月末までも、税務調査を行う時間があるだろうとの指摘もあるが、この期間の実績は、職員の人事異動に影響する勤務評定にほぼ反映されない。確定申告が明けたころには、次の配置先が内々に決まっているからだ。つまり、確定申告明けの税務調査は、目標件数を達成することが目的になりやすく、厳しい調査にならないことが多いのだ。

こうした状況を踏まえると、10月からの実地調査は短期間で終わらすために「どこで折り合いをつけるのか」という、落としどころがポイントになる。1件の税務調査に時間をかけられない調査官の事情も考慮しながら調査に対応したいところだ。

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