AIによる財産評価
このように、財産評価において、AIの活用が期待されています。財産評価における時価判定をAIに委ねれば、より正確な評価ができるようになることが期待されるわけです。
例えば、掛け軸や壺の写真を撮影しそれを見て評価額を算出するというようなことが、ビッグデータと深層学習を掛け合わせたAIが行えることになれば、より正確な評価事務が行えることになるでしょう。そうすると、少なくとも「評価の妥当性」に関して租税訴訟が生じることも少なくなると予想されます。
このように、期待が大きく膨らむAIの活用ですが、他方で、AIは、モネやピカソの絵画に極めて似た作品を作り上げることもできるのです(新井・前掲書34頁)。人間では見抜けない程精巧な贋作をAIが作れるようになったとき、その贋作を他のAIが見抜けるのでしょうか。
国税庁の採用するAIが有能なものであることを期待したいところです。納税者が採用するAIと国税庁が採用するAIとの間で、AI対決が始まる日も近いのかもしれませんね。
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中央大学法科大学院教授/法学博士
中央大学法科大学院教授。法学博士。現在、税務会計論・租税法などを担当。一般社団法人アコード租税総合研究所 所長、一般社団法人ファルクラム 代表理事。単著に『スタートアップ租税法〔第4版〕』、『クローズアップ保険税務』、『クローズアップ事業承継税制』他5冊のアップシリーズ、『所得税法の論点研究』(財経詳報社)、『裁判例からみる所得税法〔二訂版〕』、『裁判例からみる法人税法〔三訂版〕』、『裁判例からみる税務調査』、『裁判例からみる保険税務』(大蔵財務協会)、『レクチャー租税法解釈入門』(弘文堂)、『プログレッシブ税務会計論Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ』(中央経済社)、『アクセス税務通達の読み方』(第一法規)、『キャッチアップ企業法務・税務コンプライアンス』、『キャッチアップ外国人労働者の税務』、『キャッチアップ保険の税務』(ぎょうせい)など。その他、論文多数。
■一般社団法人アコード租税総合研究所
http://accordtax.net/
■一般社団法人ファルクラム(FULCRUM)
https://fulcrumtax.net/