税金は「事業所得」か「雑所得」

さて、本庶氏が修正申告をして、約7億円を納税したと報道されているが、使用対価の課税区分はどう判断されたのだろうか。特許の使用対価に関しては、基本的に「事業所得」か「雑所得」となる。本庶氏がもっぱら発明研究を事業として行っていれば事業所得だが、大学の研究活動の延長線となれば雑所得だろう。何れにしても、研究に掛かった経費は雑所得から差し引けるが、本庶氏がどれだけ経費計上したのかは定かではない。

なお、今回マスコミ報道されたのは国税部分。修正申告等により、追加の所得に対して住民税やそれに付随する過少申告加算金、延滞金の負担が本庶氏はしなければならない。おそらく追加で別途1億円程度かかるものと思われる。

本庶氏は国税当局の指摘を受けて、納税資金をねん出するために供託金を受け取り、すでに納税している。

本庶氏に顧問税理士がいるなら、本庶氏の社会的な立場や影響力などを考え、「供託金」の課税リスクについて、もっと早くに本庶氏に指導しておくべきではなかったのか。なぜ、長期間放っておいたのかじっくり理由を聞いてみたい。

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