自然科学と租税法

さて、このように、必ずしも分類が明確でない対象物を、申告納税制度の下で納税者が判断しなければならないとすると、納税者の確定申告における義務はこの点においてさらに重くのしかかることになるでしょう。

仮に、「パンダの譲渡は非課税とする」という条文があったとき、「レッサーパンダ」の譲渡は課税対象と解すべきか否か・・・簡潔にいえば、こういった議論が上記の各裁判例の根底に流れている問題といってよいでしょう。

ただでさえ複雑難解と呼ばれる租税法上の概念の理解において、自然科学分野での議論も検討しなければならないとなれば、その道の専門家でない一納税者には酷となる場面も想定されるところです。

もっとも、ジャイアントパンダとレッサーパンダの生物学上の分類に争いがあることが上記の通りであることを踏まえれば、「パンダの譲渡は非課税とする」という法律は、課税要件明確主義の観点から問題がある立法ということになるかもしれませんね。


バナーをクリックすると㈱レックスアドバイザーズ(KaikeiZine運営会社)のサイトに飛びます

最新記事はKaikeiZine公式SNSで随時お知らせします。

 

◆KaikeiZineメルマガのご購読(無料)はこちらから!
おすすめ記事やセミナー情報などお届けします

メルマガを購読する


 

【関連記事】

~AIによる美術品評価~

~トッカン工事~

~山田太郎さんと「滞納太郎」~

~徳を積む~

~佐渡金山の無宿人の納税義務~

~田中角栄と渋沢栄一~

~ジェンダー問題と確定申告書~

~入管法改正にみる法律番号~

~老化は病気か?アンチエイジングと医療費控除~

~「地金」の売却に係る税負担~

~トイレと税制~

~甲乙という匿名表現とマイナンバーカード~

~納税のための貨幣〔後編〕:偽札と渋沢栄一~

~納税のための貨幣〔前編〕:MMT理論と赤瀬川原平の模造千円札~

~税務大学校の宿泊施設の取組み~

~ジョージ・ハリスンのタックスマンとトランプ大統領のタリフマン~

~信長の茶道具と評価額~

~税務職員への手土産~

~噂話が支える人間社会~