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相続時精算課税制度は「非課税2500万円」だけじゃない!特徴と注意点を解説

■相続時精算課税制度の注意点

「2500万円まで非課税」という強みがあるにも関わらず、実はあまり活用されていません。創設当初、利用件数は全体の2割前後に上っていましたが、徐々に割合が低下。平成26年以降は1割前後にとどまっています。

なぜでしょうか。ここからお伝えするように、注意点がたくさんあって使いにくいからです。

  • ●110万円以下の贈与でも期限内申告が必要

相続時精算課税制度を一度選択したら、110万円以下の少額贈与でも期限内に贈与税の申告をしなくてはなりません。たった30万円の贈与でも、翌年3月15日までに申告が必要です。期限後申告だと20%の税率で贈与税がかかります。非課税の恩恵が受けられません。

ただし、日常の生活費・教育費、お年玉や入学祝で常識的な金額のものは元から贈与税がかかりません。申告も不要です。

  • ●相続税の申告が必要

相続時精算課税制度の対象とした贈与は、すべて相続税の申告が必要です。もらった人が相続人でない孫でも申告しなくてはなりません。

申告もれとなると、申告をやり直さなくてはなりません。そうなると、本税の他、加算税や延滞税を支払うはめになります。

■「うっかり忘れ」が最大のリスク

もっとも怖いのは「うっかり忘れ」です。贈与時と相続開始時の間があいていなければ、申告もれは生じないかもしれません。しかし、生前贈与から10年も時間が経ってから相続が始まれば、贈与自体を失念してしまうでしょう。そうなると、後日指摘を受けることになります。なかなかめんどうです。

一般の方だと「2500万円まで非課税」にばかり目が行き、贈与税や相続税の申告を忘れがちです。暦年課税制度との違いもわからないかもしれません。もし関与先から相談を受けたら、メリット以上に注意すべき点が多いことも伝えた上で、一緒に検討した方がいいでしょう。


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著者: 鈴木まゆ子

税理士・税務ライター

中央大学法学部法律学科卒業後、ドン・キホーテ、会計事務所勤務を経て2012年税理士登録。ZUU online、納税通信、朝日新聞『相続会議』などメディアで税務・会計・お金に関する記事を多数執筆。著書に『海外資産の税金のキホン』(税務経理協会、共著)

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