■申請の傾向と採択事例
応募金額別の申請件数が公開されておりますので、その分布を見てみますと6千万円付近が最も多くなっています。中小企業の通常枠の上限額が6千万円ですから、上限額に近い金額で申請した企業が多いことが分かります。続いて、500万円~1500万円付近が多くなっています。これは、緊急事態宣言特別枠の上限額(従業員数によって上限額が異なる)ですので、このあたりの金額が多くなっていたと考えられます。また、3千万円を超えると金融機関の確認が必要となるため、これをわずかに下回る申請も多くありました。
今後も6千万付近の山は変わらないかもしれませんが、それ以下の件数は、緊急事態宣言特別枠が無くなると金額はやや上振れするのではないかと思います。

事業再構築補助金第1回公募の結果について(事業再構築補助金事務局)より
https://jigyou-saikouchiku.jp/pdf/result/koubo_kekka_gaiyou01.pdf
なお、認定支援機関としては、銀行、信用金庫、商工会議所、商工会が多くなっていますが、小規模な企業では税理士、税理士法人が認定支援機関となっているケースが多い傾向にあります。
また、採択された事業の計画名や概要は下記のPDFで参照することができます。
採択事例(通常枠)https://jigyou-saikouchiku.jp/pdf/result/tsujyo_gaiyo01.pdf
これから申請を考えている場合、申請しようとしている事業に関するキーワードで検索をすると、どのような事業が採択されているか分かります。
業種別に見ると、製造業では設備投資をして新たな加工技術に取り組む、飲食業ではデリバリーの開始やセントラルキッチン導入、それ以外の事業ではオンライン化という内容が目立ちます。
一方で採択されなかった事業計画に関して、中小企業庁の方が今回の公募について振り返っている動画では、次のような内容について言及していました。新しい事業に取り組もうという思いは伝わるが、なぜ顧客が増えるか(売上が増えるか)という根拠が弱い計画が多かったそうです。たとえば、大宴会場をコワーキングスペースとして活用すると、360名の宿泊客が550名になるという計画を立てているが、顧客が増えるという根拠の説明がないという例を挙げていました。事業再構築としてどのようなことに取り組むかを具体的に記載することに加えて、それによってどうして売上が上がるのか(売上や受注の実現に向けてどのような取り組みをするのか)も説得力を持ってアピールすることが重要です。
■まとめ
事業再構築補助金の第3回の公募は7月下旬から開始する予定とされています。今後応募を考えている事業者においては、このような結果を踏まえて事業計画を練り上げ、採択を目指していただきたいと思います。
この記事の内容は、執筆時点(2021年7月6日)の情報をもとにしています。
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