■収支計画作成のポイント
オンラインでは収支計画として上記の数値を入力しますが、これに加えて事業計画書にその根拠を示す必要があります。公募要領には付加価値額の算出根拠を示すように求められていますので、売上高、人件費、減価償却費、その他の原価や販管費について、どのように見積もったのかを示します。
売上高については審査の観点で特に重要となりますので、しっかりと根拠を記載しましょう。次のような点がポイントになります。
・新規事業に関する具体的なマーケットや市場規模を示します。ここでは、統計データを活用しながら客観的な数値を示すとよいでしょう。
・既存事業と新規事業に分けて売上高の内訳を示します。ここでは、売上高要件(新分野展開の場合、新たな製品の売上高が総売上高の10%以上となる)を満たしていることが必要です。
・新規事業において、複数の製品やサービスがあれば、製品・サービスごとの売上高の内訳を提示した方がよいでしょう。
・1年後、2年後・・・とそれぞれの年度ごとにどれだけの受注や売上を見込んでいるのかを記載します。計画の年数に応じて、補助事業終了から3年後~5年後までの計画を説明します。
・さらに、年度ごとにその受注や売上を確保するためにどのような活動をするのかを記載します。
人件費については、どの程度の昇給や人員増を計画しているのかを記載します。
減価償却費は、既存事業の減価償却費と、新規事業の設備投資などに伴う減価償却費の増加を記載します。
その他の原価や販管費は、従来と大きく変動がなければ、従来の原価率や販管費の金額を用いてよいでしょう。
また、審査項目に「補助事業として費用対効果が高いか」という項目があります。ここでいう費用対効果とは、「補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規模、生産性の向上、その実現性等」を指しています。
たとえば、補助金額が1千万円であるのに対して、付加価値額の増加が500万円であれば費用対効果は低いと言えるでしょう。そのため、同じ補助金額の場合、付加価値額の増額が大きい方が費用対効果の高い計画と言えます。そう考えると、付加価値額が大きく増加する収支計画にする方がよいと言えますが、ここで問われるのが「実現性」です。
絵に描いた餅ではなく、実現できる可能性が高いと思われる算出根拠をしっかり示すことが求められます。想定されるマーケットの規模を数値で示し、売上獲得に向けた活動を年度ごとに詳細に記載して、「これであれば見込んでいる受注を獲得できそう、見込んでいる集客を実現できそう」と思わせることが重要です。
事業再構築補助金ホームページの採択事例紹介(https://jigyou-saikouchiku.go.jp/cases.php)では、採択された事業計画書の事例が公開されています。これらに記載されている収支計画や算出根拠も参考にしながら、納得感のある収支計画の作成に取り組んでいただきたいと思います。
この記事の内容は、執筆時点(2021年9月2日)の情報をもとにしています。今後、制度や申請内容などが変わる可能性があります。
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